豊洲市場の寿司は死ぬほどうまいからDieなのか

新型コロナウイルスの感染拡大危機によって、豊洲市場の飲食街でも客足がさっぱりというお店が増えているようです。そんな中で割合に元気なのが、水産仲卸売場棟の寿司大。豊洲移転後は築地市場の時代ほどではないにしろ、やはり魚河岸屈指の行列店のようです。コロナ前、行列を構成していた人の多くは訪日外国人でした。その意味では、大の行列に辟易していた人にとって、インバウンド需要が蒸発したコロナ時代はチャンスかもしれません。

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行列が長くない時代もあった寿司大(2006年撮影)

築地市場のときは「6時間待ち」の伝説もあった大。訪日客が「Die」という不吉な名前の店に、わざわざ喜んで並んでいたのが不思議でした。簡単な英語ではあっても、一貫ずつ丁寧に寿司ネタの説明をしていたので、単に美味しいというだけでなく、ホスピタリティの面でもポイントが高かったのかもしれません。ひょっとすると「Die」だけに「死ぬほどうまい」みたいなクチコミが訪日客に広がっていたのかなと想像しています。

英語に詳しい人に聞くと、ダイといっても即「死ぬ」という意味じゃなくて、「サイコロ」という意味もあるそうです。サイコロと寿司も何となく縁がある感じです。1の目は「ピン」。あとは、リャン、ゲタ、ダリ、メのジですね。寿司屋の符牒は寿司を食べにいかないと意識しないものですが、寿司屋の大将が「アナゴ、リャンね」と厨房に伝えて、煮アナゴの準備が始まる場面などは「きょうのアナゴはどうかな」とワクワクする瞬間でもあります。

大について英語で語っている人の文をよく見てみると、本当は「Die」ではなくて、「Sushi Dai」なんですけどね。まあ、そこは寿司だけに話の「ネタ」ということで。